5月10日(木)、GyaOで「編集部のイチオシ!!」に選ばれていた(現在は別の作品)『es[エス]』を観ました。1971年にスタンフォード大学で実際に行われた心理実験を元に製作された映画です。実験は、新聞広告のアルバイト募集(しかも高額)で集めた被験者を、看守役と受刑者役にグループ分けし、刑務所に近い設備で各々の役割を演じさせるというもの。
やがて被験者は、本来の自分を見失い始めます。演じる内容「権力と服従の関係」が次第にエスカレートしていきます。その過程が怖ろしい。皆一見、フツーの人なのに。なんで?
「じっと耐えて自分の役割をこなしていればいいのだから、こんなことにはならんはず」「日本人は真面目だしなあ」と思うかもしれません。でも、よく考えてみてください。自分はマトモだとしても、他の人はどうなのか。
もし、誰か一人でも、実験と現実の区別がつかなくなったら..
あるいは、役柄にこだわるあまり、行き過ぎた行為にまで及んでしまうとしたら..
集団心理というのは、本当に恐ろしいものです。教室内での「いじめ」がいい例でしょう。いじめられる側といじめる側、そして傍観者に分かれます。よっぽどのことがない限り、自分達で解決できるような単純な問題ではありません。
さて、この映画の話に戻りますが、暴力以外のテイストも盛り込んであります。それがジャマだと思う人もいるかもしれません。私は、ラストシーンに絡んだ話の展開は、結構いい味出してると思うんですけどね。
この映画はフィクションです。実際の実験では、ここまで悲惨なことにはなっていないのでご安心を。とは言え、かなり似たような状況にまで追い込まれたのは確か。Wikipediaにその経緯が載っているので、知りたい方はどうぞ。
あ、待ってください! 映画を観た後の方がいいです。面白くなくなりますから。
Wikipedia
スタンフォード監獄実験
2007/05/20 追 記:
もっと明るい話題「PFI刑務所で再犯を防げるのか」をCNET Japan読者ブログにアップしてます。
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