
左は、Willcomブースに展示されていたW-ZERO3。記念すべきWindows Mobile 5.0 for Pocket PC 搭載1号機。
右は、W-SIMとWS001"TT"。このW-SIMが、PHS通信モジュールである。パケット通信は1x~4xパケットで、データ転送速度は最大128kbps、32kbps/64kbpsのフレックスチェンジ方式での通信もできる。
W-SIMはW-ZERO3の裏蓋をはずして、スロットに挿入する。逆に言えば、このW-SIMさえ確保していれば、端末を買い換えることが容易となるわけである。
Web上で見た限りでは、PSPと似ていると思っていたのだが、実際にはもう少しチープな感じ。まんまプラスチックの筐体は、重量を抑えるための選択だろう。とにかく、軽いことはいい。
全体的な使い勝手は、良くも悪くも、Windowsと同じだ。私はPoket PCを使ったことがないので詳しい比較はできないが、最初の画面はまさにPoket PCのTodayの画面と同じである。アプリケーションを起動するには、Windowsマークのついたボタンを押すか、画面上の「スタート」メニューからアプリを選ばなければならない。
[本体ボタン]
縦にしてみると、本体下部には8つのボタンが配置されている。カーソルボタンを中心として、その周りに「Windows」ボタン、「ok」ボタン、「インターネット」ボタン、「メール」ボタンがある。左下には「通話ボタン」、右下には「終話ボタン」があり、その上にある「-」ボタンによって、Windows Mobileの下にあるタスクバーに表示される2つの機能を選択できる。この機能はアプリケーションによって内容が変わる。押した感じはしっかりしていた。
[液晶画面]
解像度640×480ドットの半透過型液晶は、かなり美しいという印象だ。さすが液晶のシャープと言われるだけのことはある。明るい戸外でも視認性が良いのか、ぜひ、試してみたいところだ。
[キーボード]
スライドすると、自動的に縦画面が横画面に切り替わる。この切替は、本体前面のスイッチによっても可能だ。
キーの配置には慣れが必要かもしれない。カーソルキーの位置が微妙、スペースキーは左に寄り過ぎている。親指でキーを押すこと自体は、本体が軽くて支えやすいのと、キーの配置が扇型に拡がっていることで、Zaurus SL-C3100と比較すると、かなり使いよい。クリック感は浅いが、気になるほどではなかった。

[電話としての使い勝手]
Willcomの定額の音声通話に対応している点は、評価すべき重要なポイントである。では、電話としての機能はどうなのだろう。展示機でも、番号をタップして電話をかけることは可能だった。音声はクリア。しかし、PHSとしては、女性の手には大き過ぎ。まあ、これは致し方なかろう。
縦画面のプッシュボタン。横画面にしても、同じ配置である。横画面では、キーボードからも入力できると思うが、基本的には、スタイラスによるタップとなる。「通話ボタン/終話ボタン」は、携帯と同じで本体上にある。

「連絡先」ボタンから相手を選んで電話をかけることができそうだ(実際には試していない)。では、送信記録や受信記録はどこにあるのだろう。もしかすると、電話画面上に表示されている「メニュー」にあるのかもしれない。今どきの便利な携帯電話やPHSを使い慣れている身にとっては、機能的にかなり物足りないと思われる。
もちろん、PHSなので、メールは自動受信してくれる仕様となっている。
[カメラ]
133万画素で、携帯のカメラと遜色なく、くっきりと撮れる。画面が大きい分、被写体を見やすいかもしれない。また、確認時にも大画面は有効。
[リセットボタン]
裏蓋をはずすと、リセットボタンがある。リセットすると、起動に1分ほどかかっていた。まだ、試作機ということで不安定なのか、係員がW-ZERO3をリセットする場面に何度も遭遇した。
